コスパに優れたDSLR Rigの研究

DSLRでの動画撮影を手持ちで行う場合、短時間であれば、さほど苦にならないが長時間の連続撮影で安定したピント合わせやフォローフォーカスを行うのはホネが折れる。
そこで、リグを導入したいところだが、良いものは全て海外製品で値段も高く、手が出ない。
もっとも、良いといっても、余計な部分が多いので全体的に大柄になってしまい、フィールドで移動しながらの運用には難があるだろう。

そこで、アレコレ検討した結果こういうモノができあがった。

※三脚は撮影用に使っているだけです

全て市販の部品で構成しており、一番高いマンフロットのクイックシューとショルダーブレースは、手持ちのモノがあったので、なんと総額3000円を下回ってしまった。

構成は

1) マンフロット 一脚用ショルダーブレース 361 - 3980yen

2) マンフロット クイックシュー  323 - 4617yen

3) King photo style カメラボトムグリップ - 1963yen

4) エツミ 止めネジ(長) E-522 - 189yen
※ヨドバシカメラ http://www.yodobashi.com/ec/product/000000110293000439/index.html

5) SLIK 11mmダブルネジアダプター - 459yen
※クイックシューを新品購入時には不要




この構成の利点は価格だけではなく、シンプルで軽量、コンパクトでありながら十分な保持性能を発揮する点だ。
さらにマンフロットのベースプレートは、以前紹介したグライドトラックに装着しているManfrotto ジョイスティック雲台 324RC2と共通なので、手持ちからスライダー、三脚運用へ素早く変更できる。

もちろん、Contourも三脚用アタッチメントでショルダースタイルで運用することも可能だ(まずやらないと思う)

組み立て順については、各部品をそろえることができたなら「見れば解る」程度のことだが、あえて書いておく。

①ショルダーブレース付属の「大ネジ-小ネジアダプター」をブレースの下側に取り付けて③グリップをねじ込む。
①ブレース上部に、④止めネジ、⑤アダプター、②クイックシューを取り付けて完了。
なお、⑤のアダプターはクイックシューを新品で購入したときには付属しているはずなので、購入しなくても良いだろう。

全て正ネジ(時計回り)で工具は不要、手で締め付けるだけだ。





さて、本体を構成するショルダーブレースは、もともと一脚のサポートであるため、運用には若干のコツが必要だ。
最も重要なのは「肩当てをどこに当てるか」だが、経験上、上腕の付け根前面に軽く押しつけて保持する力を分散させると安定したカメラワークができるようだ。

パンやチルトを腕だけで行うのではなく、上半身を腰から回転、あるいは左右の上腕を連動させた上下運動で操作すると、軽量コンパクトというこの構成のメリットを十分に活かせるはずだ。その際には下半身の安定が必須条件なので、撮影者も撮影対象となるライダー達と同様に身体作りを怠らないようにするべきだろう。

なお、今回選んだグリップは若干小さめだが、日本人の成人男性としては平均的な大きさの筆者の手でも、予想以上に良い塩梅だ。グリップに限らずクイックシューに関しても各自の好みや、手持ちの部品や機材によって、様々な構成が考えられるだろう。

ひとつだけ注意する点は、筆者が現在使用中のEOS 60Dはバリアングルモニターのため、液晶用ファインダーを装着しないことが前提なので、他機種でファインダーを使用する際はやや窮屈な姿勢になると思う。結果的に60Dに最適な仕様になってしまったかもしれない。

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