Contour HDのヘルメット装着位置とウインドカットとホコリ対策

前回、モトクロスレースにおける純正マウントの選択と装着方法について書いてみたが、肝心の設置位置については試行錯誤中だった。 
現在提供されているContour HDの画角135°では、頭頂部に装着することで実際のライダーの走行時の視界に近い感覚で映像化することができるが、純正マウントは俯角、仰角ともに稼働しないため細かい調整が困難、と思っていたが、全日本モトクロス第6戦において、おそらく全てのヘルメットメーカーに共通する基準を見つけることができた。
上の図の黄色線は開口部上部を側面から見た線であり、この線に平行して設置することで走行時の画角の空と地面の比率が”ほぼ”50/50になる。 赤線はその大まかな位置だ。もちろんジグを作って正確に平行位置を出すのも良いが、目測で十分だ。熟練した職人の感覚が計測器を上回るように、というわけではないが、この基準をもってすれば、おおよそうまくいく。
唯一の難点は、位置がかなり後方になるためゴーグルの脱着に気を遣う必要があり、この点はライダーに注意してもらうことになる。

 また、多くの指摘を受けたウインドノイズに関しては「マイク穴をセロハンテープでふさぐ」ことで100%カットできる。新品購入時のテープをはがさなければそのままでも良い。 ウインドノイズの原因は走行風の巻き込みであり、口笛と同じものだ。ならば物理的に走行風を遮断すればよいわけで、通常の音声も若干小さくはなるものの、ストーリーテラーで調整できる範囲だ。

 そして、長時間ホコリ舞うモトクロスコースでの走行で全面のプロテクションレンズ内にホコリの侵入が多発していたが、これもホームセンターに売っている浴室や流し用のシリコンコーキングで対応できた。
プロテクションレンズのカバー下部の+ネジを精密ドライバー#0で外し、反時計回りにカバーを回すと簡単に外れる。 ホコリの侵入は全面のOリングの密着が弱いためで、このOリングとプロテクションレンズが接触する部分にごく薄く塗るだけだ。多少はみ出ることがあってもレンズに映り込むことはないので、それほど気を遣わなくてもいい。

 上記三点で改良したのが下の映像だ。画角の調整に関してはContour以外のメーカー製品、たとえGoProであっても有効だろう。

 

さて、もしContour”+”や最新鋭の”ROAM”の170°の画角を活かしてハンドル操作も撮影するのであれば装着位置に関して説明した図の青線の位置になるが、前述のようにヘルメット装着用の純正マウントは俯角仰角の調整ができないため、赤線の位置で帽体に取り付けるしかない。

そこで、アルミニウムなどの素材から加工して、調整幅のある十分な剛性をもったマウントをワンオフ制作する、という手もある。 その際にContourの特徴でもあるレールシステムを活用したいところだが、樹脂に対して金属素材の挿入を繰り返すことは非常識なので、三脚用マウントの1/4インチネジを使用するものを検討している。

これによりContour以外のメーカーにも対応できる汎用性が付加され、市販品のプロトタイプとしてサードパーティのメーカーにも提案できるのではないか。そして、この手の製品の国内需要は極めて少ないので欧米市場に打って出る、という妄想も結構楽しい。

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