雪解けから梅雨入りまでの蘇武岳四ツ山越えルート



今年はほぼ毎週、万場登山口-大杉山-四ツ山-(ときどき蘇武岳)-万場登山口のルートをトレッキングしている。

目的はブナの森の映像化。

一般にブナが自生するには西日本の日本海側では800m以上、太平洋側では1000m以上の標高が条件とされているけど、比較的低い高度から山頂まで自然林が残っているこの森では、大杉山の4合目付近、標高700mあたりから散見されるブナが四ツ山の1000m近辺の縦走に入るころにはブナの森になっていて、わりと手軽に2-3時間のブナの森散策が楽しめる貴重な場所だ。

毎週森に入っていると、毎回新しい発見や草木の変化がある。
今日咲いていた花が翌週には姿を消していたりすることもザラで、季節の移り変わりを収録するためには、3日おきに森に入りたいものだが、なかなか事情が許さない。
それでも、一度の撮影で収録できる素材は1時間ほどになっても、心の琴線に触れるショットは撮れても5分もないので、可能な限り通い詰めることでナントカ作品にしていこうとしている。

新緑が芽吹いた5月中旬、自分と同じようにこの森に魅せられた人に出会った。
彼は大杉山の麓に住んでいて20年前にトレールランニングで登山道を走り回っていたものの、夢中になり過ぎて膝を痛めてしばらく山から遠ざかってしまったが、最近ハイカーとして戻ってきたそうだ。

軽い挨拶の後、お互いに口にしたのが「ここって良いですよね~」という言葉。
おそらく誰しも自分や彼のように「季節の移ろい」に感銘を受けることは間違いないが、それも一年を通じて通い続けてこそ完結する物語。自分自身、死を感じるラッセルで登り続けた冬期があってこそ、春のぬくもりと夏の木漏れ日を楽しめる実感がある。

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